事務局から 羽二重ねっと一周年のご挨拶
昨年の1月10日に産声をあげた私どものネットワークも早1歳を迎えることができました。これもひとえに構成団体をはじめとした関係団体の皆様の熱意と視覚障がい者およびそのご家族や支援者の皆様のご理解とご支援があってのことと、ここに深く感謝申し上げます。
この1年間、電話または対面による支援相談に取り組んで参りました。また、その充実を目的に羽二重ねっとの相談窓口を紹介するカードを作成し、眼科医療機関や行政の窓口への配布を進めております。10月10日には、AOSSAにおいて医療・福祉・教育・行政の各ブースを設け、それぞれ専門の担当者を配置しての支援相談会を開催しました。あわせて私どもの構成団体の活動を紹介したパネル展示や、視覚障がい者と読書をテーマとした支援機器展示会を開催し、見えない見えにくいことでお困りの皆様への情報提供に取り組みました。
現在はホームページのリニューアルに向けて作業を進めております。羽二重ねっとの取組を一人でも多くの皆様にお知らせして、見えない見えにくいことによる情報の不足を補い、視覚障がい者とそのご家族の笑顔がこぼれる姿を願って、今後も取組を進めて参る所存です。
昨年の4月には障害者差別解消法が施行され、すべての障がい者が社会参加を進めていく上での合理的配慮が求められることになりました。見えない見えにくい方への合理的配慮とは何か、どのような方策があるのかを、羽二重ねっとの活動をとおして支援する側と、支援を受ける側がともに考えていく、汗を流していくことが求められているのだと思います。先日も、視覚障がい者が駅のホームから転落して命を落とすという痛ましい事案が報道されていました。安全柵の設置を働きかけていくことはもちろん、心のバリアフリーを広げ気軽に声を掛け合いともに歩む社会の実現が求められています。
私どもの羽二重ねっとでは、インフラやハード面の活用、ツールの利用を広げるとともに、当事者である視覚障がい者との心のつながりを大切にして、ふれあい、響きあえる関係づくりにも取り組んでいきたいと考えています。皆様からのご相談や情報提供を心からお待ちいたしております。そして、皆様のさらなるご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
平成29年新春
羽二重ねっと代表 島本史郎